下水道管の寿命は新設されてから約50年と言われています。
古くなった下水道管は道路陥没など事故に繋がる可能性があるため、リニューアルをしていく必要があります。近年では下水道菅のリニューアル方法として「管更生」という施工方法が多く用いられるようになってきました。
①管更生ってどのような工法なの?
管更生とは、古くなった下水道管の内面に新しい管を新設することを管更生と言います。
通常の道路を掘り起こして管を入れ替える開削工法とは違い、道路を掘る必要のない工事方法です。
②どのようにして古い下水道管の中に更生管を構築するのですか?
更生工法には様々な種類がありますが、一般的には硬化前のやわらかい状態の更生材料をウインチなどを使用して既設管の中に引き込みます。この更生材料は熱や光によって硬化する樹脂が煉り込まれています。引き込んだ更生材料に空気を送り込み、熱蒸気やUVライトなどを材料にあてることで更生材料が硬化するしくみになっています。
③管更生を行うメリットは何ですか?
主に以下の4点がメリットになります
・道路を開削する必要がないので、交通影響が少ない
・管の埋設深が深くなれば深くなるほど管更生の方が安価になる
・施工日数が短い
・継ぎ目がなく、地震などの揺れに強い
④管更生した管はどれくらい耐用年数が持つの?
管更生によって構築される管は約50年の耐用年数を持ちます。
そのため、管を入れ替えるのと同じ目的で管更生は使われます。
⑤管更生をすると管の断面積が小さくなって、流せる下水量が減りませんか?
管更生は既設管の内面に新しく管を構築するため、どうしても断面積が小さくなります。
しかし、管更生の表面材質がツルツルした素材で作られており、既設管(コンクリートなど)よりも抵抗が少ないため多くの下水を流すことができます。
その結果、断面積が小さくなっても既設管と同等以上の流加能力を保つことができます。
管更生は経済性、環境性、耐震性に優れており、今後の下水道管老朽化問題に必要不可欠な工法です。
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