トイレの水を流すと「ゴボゴボ」音がしたり、流れずにあふれてしまう場合は下水道管が詰まってしまっている場合がほとんどです。下水道管の閉塞原因は複数あり、原因と発生場所によって対処方法が異なりますのでまずは閉塞の発生原因を状況から推測してみましょう。
①木根による閉塞
木根(もっこん)による閉塞とは、庭木や街路樹の根によって下水道管を閉塞させてしまっている事象です。下水道管は埋設する際に管と管を接続、管と桝を接続して下水が流れるように新設しています。
それぞれに継ぎ目があるため、極力隙間がないように接続されていますが経年劣化や地震などの影響で少しずつ隙間が発生してきてしまいます。そこへ木根が侵入し成長することで管内を閉塞させてしまうのです。特に多いのが桝の管口にある隙間から木根が管内へ侵入し、閉塞させてしまうことです。庭や駐車場の桝から汚水があふれている場合はこの木根による閉塞である可能性が高いです。
②油脂による閉塞
油脂による閉塞とは、調理で使用した油脂が排水され下水道管内で固まることで下水道管を閉塞させてしまっている事象です。油脂のついたフライパンや食器を洗うと排水管内に油が付着し、冷えて固まります。そこへ食材カスや洗剤カスなどが付着してさらに固まることで管を閉塞させてしまいます。
特に油脂を多く洗い流す飲食店では頻繁に下水道管が油脂によって閉塞してしまう事案が多いです。桝を開けてみて白い固まりが管に付着している場合は油脂による閉塞である可能性が高いです。
③トイレットペーパーによる閉塞
トイレットペーパーによる閉塞はしっかり原因を突き詰めると別の要因がでてきます。
トイレットペーパーは本来水溶性であるため、水に溶ける性質があります。そのためトイレットペーパー自身が閉塞原因になることはありません。例えば下水道管の勾配が取れておらず、水を流した時にトイレットペーパーが管の途中で止まってしまう場合、徐々に管内にペーパーが堆積し閉塞してしまうことがあります。特に水に溶けにくい安価なトイレットペーパーを節水型のトイレで流すと勾配が悪かったり、曲がっているような場所でトイレットペーパーが詰まってしまう可能性があります。
④異物による閉塞
異物による閉塞とは、本来下水に流してはいけないものを流してしまい下水道管を閉塞させてしまっている事象です。トイレでは水の力で流せてもその先の下水道管では水流が弱まるため、勾配が少ないところや曲がっているところで詰まってしまう場合が多いです。
水溶性でないトイレットペーパー以外の紙や生理用品をトイレに流してしまって閉塞させてしまうことが特に多いです。
⑤管渠の不具合による閉塞
管渠の不具合による閉塞とは、管と管の接手がズレてしまっていたりすることで土砂が入り込んだりトイレットペーパーが引っ掛かりすることで閉塞してしまう事象です。流しているものに問題がなく、桝をあけても木根や油脂が見当たらないため管内を調査してみないとその原因はわかりません。
最悪の場合は管内に土砂が流入してしまい、庭や駐車場などが陥没してしまう可能性があります。
下水道管は中が目に見えないため、閉塞の原因は流したものや周りの状況等で予測するしかありません。まずは油脂は極力流さないようにし、トイレットペーパー以外のものは流さないようにしましょう。
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